NISAとは|非課税のしくみと2つの投資枠をやさしく解説
NISAは投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。つみたて投資枠と成長投資枠の違い、年間の上限額、生涯で使える枠の考え方を、金融庁の資料をもとに解説します。
株式や投資信託で利益が出ると、通常はその利益に対して税金がかかります。NISA口座で買ったものは、その税金がかかりません。 これがNISAという制度の中心です。
まず、通常はどれだけ税金がかかるのか
課税口座(特定口座や一般口座)で投資して利益が出た場合、利益に対して20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。
10万円の利益が出たとすると、約2万円が税金として引かれ、手元に残るのは約8万円です。
NISA口座で同じ10万円の利益が出た場合、税金は引かれず、10万円がそのまま残ります。 これがNISAを使う理由です。
NISAの2つの枠
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、併用できます。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間に投資できる額 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税で保有できる期間 | 無期限 | 無期限 |
| 口座を開ける期間 | 恒久化(期限なし) | 恒久化(期限なし) |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
両方を使うと、年間で最大360万円まで投資できます。
出典:金融庁「NISAを知る」(2026年9月14日確認)
生涯で使える枠には上限がある
年間の枠とは別に、生涯で非課税にできる金額の上限が1,800万円と決まっています。
このうち、成長投資枠として使えるのは1,200万円までです。 つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることはできますが、成長投資枠だけで1,800万円を使うことはできません。
この1,800万円は「買った金額(簿価)」で数えます。値上がりして評価額が2,000万円になっても、枠を超えたことにはなりません。
口座は1人1つだけ
NISA口座は、1人につき1口座しか持てません。 複数の証券会社で同時にNISA口座を持つことはできません。
金融機関を変えることはできますが、年単位での手続きになります。その年にすでにNISA口座で買い付けをしている場合、その年のうちに変更することはできません。
課税口座(特定口座など)は複数の証券会社で持てるのに対し、NISA口座だけは先に決めておく必要があるということです。証券会社を選ぶときに、NISAの取扱商品を確認しておいたほうがよいのはこのためです。
NISAで注意したいこと
損失が出たときに、税金の計算で使えない
課税口座では、ある銘柄の損失と別の銘柄の利益を相殺して税金を減らす(損益通算)ことができます。NISA口座の損失は、この相殺に使えません。
利益が出れば非課税で有利ですが、損失が出た場合は課税口座より不利になる場面がある、ということです。
枠は「買った年」で消費される
年間の枠は毎年リセットされますが、その年に使わなかった枠を翌年に繰り越すことはできません。
なお、保有している商品を売却すると、その商品を買ったときの金額分の枠が翌年以降に復活します。 売った年のうちにすぐ再利用できるわけではない点に注意してください。
制度が非課税でも、商品のリスクは変わらない
NISAは「税金がかからない」制度であって、「損をしない」制度ではありません。NISA口座で買った株や投資信託も、値下がりすれば損失が出ます。
どの金融機関で開くか
NISA口座は1人1口座のため、選ぶときは次の点を確認しておくと後悔が少なくなります。
- 買いたい商品を扱っているか(特に成長投資枠で個別株や外国株を考えている場合)
- NISA口座での取引にかかる手数料
- 積立の設定のしやすさ(毎月の金額や日付をどう指定できるか)
手数料や取扱商品は変更されます。必ず各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。比較の観点は証券会社を比較するにまとめています。
この記事のまとめ
- NISA口座の利益には税金(通常20.315%)がかからない
- つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円、併用で年360万円
- 生涯の上限は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- NISA口座は1人1口座。金融機関の変更は年単位
- 損失は他の口座の利益と相殺できない
- 非課税でも値下がりのリスクは無くならない
参考にした一次情報
- 金融庁「NISAを知る」 (2026/09/14 確認)