株主優待とは|もらい方のしくみと、優待だけで選ばないための視点
株主優待のしくみ、受け取るために必要な株数と権利確定日、優待利回りの考え方、そして優待だけを基準に銘柄を選ぶことの注意点を解説します。
株主優待は、企業が株主に対して自社製品や割引券などを贈る制度です。配当金が現金であるのに対し、優待は品物やサービスで受け取ります。
日本特有の制度で、海外の株式にはほとんど見られません。
受け取るための条件
1. 必要な株数を保有する
優待には「100株以上」「500株以上」といった最低保有株数が定められています。会社によって異なり、保有株数に応じて内容が変わることもあります。
1株だけ持っていても優待は受け取れないことがほとんどです。単元未満株での投資を考えている場合、この点は確認が必要です。
2. 権利確定日に株主名簿に載っている
優待を受け取るには、会社が定める権利確定日の時点で株主名簿に記載されている必要があります。
ここで注意が必要なのは、権利確定日に買っても間に合わないという点です。株式の受け渡しには数営業日かかるため、権利付最終日までに買っておく必要があります。
権利付最終日は証券会社のサイトや会社のIR情報に掲載されています。買う前に必ず確認してください。
3. 長期保有の条件がある場合がある
「1年以上継続して保有していること」といった条件を設けている会社もあります。権利確定日の直前に買っただけでは受け取れない場合があります。
権利落ち日の株価
権利付最終日の翌営業日を権利落ち日といいます。
この日には、配当と優待の権利が無くなった分だけ株価が下がる傾向があります。 「権利をとってすぐ売る」という考え方は、この下落と相殺される可能性があることを踏まえておく必要があります。
優待利回りという考え方
優待の価値を金額に換算し、投資金額に対する割合を出したものを優待利回りと呼ぶことがあります。
優待利回り(%) = 優待の価値(円) ÷ 投資金額 × 100
配当利回りと合計して「総合利回り」と呼ぶこともあります。
ただし、この計算には注意が必要です。
- 優待の価値は人によって違う。自社製品や特定店舗の割引券は、使わない人にとっては価値がありません
- 額面どおりの価値があるとは限らない。1,000円分の割引券は、1,000円の現金とは違います
- 有効期限があることが多い
「自分が本当に使うかどうか」で判断してください。
優待だけで銘柄を選ばないほうがよい理由
優待は変更・廃止される
優待制度は会社の判断で変更・廃止できます。廃止が発表されると、株価が大きく下がることがあります。
近年は、株主への還元を配当に一本化する動きも見られます。優待があることを前提に投資すると、その前提が崩れたときに影響を受けます。
株価の下落が優待の価値を上回ることがある
優待の価値が年間3,000円だとして、株価が1株100円下がれば、100株で1万円の含み損です。優待の価値は、株価の変動に比べると小さいことがほとんどです。
事業の中身を見ないまま買うことになりやすい
「優待が魅力的だから」という理由で選ぶと、その会社が何で稼いでいるのか、業績はどうなのかを確認しないまま買ってしまいます。
優待は判断材料の1つであって、それだけで決めるものではありません。事業の内容、業績、財務の状態を確認したうえで、優待を「あれば嬉しいもの」として見るのが順序です。
この記事のまとめ
- 優待には最低保有株数がある。1株では受け取れないことが多い
- 権利確定日ではなく、権利付最終日までに買う必要がある
- 長期保有が条件の場合がある
- 権利落ち日には株価が下がる傾向がある
- 優待利回りの計算には「自分が使うか」という視点が要る
- 優待は変更・廃止される。それだけで銘柄を選ばない