高配当株とは|定義があいまいな言葉と、選ぶときの見方
高配当株には明確な定義がありません。何をもって高配当と呼ぶのか、利回りの高さだけで選ぶことの危うさ、確認すべき指標と考え方を解説します。
「高配当株」という言葉はよく使われますが、何%以上を高配当と呼ぶかについて、決まった定義はありません。
一般には市場平均より高い利回りの銘柄を指して使われますが、その平均自体が時期によって動きます。つまり「高配当株」は、相対的な言葉です。
なぜ定義のあいまいさが問題になるか
定義がないということは、書き手が都合よく使えるということです。
「利回り5%の高配当株」と紹介されていても、それが安定して続く5%なのか、株価が半分に下がった結果の5%なのかは、言葉だけでは分かりません。
数字の背景を自分で確認する必要があります。
高配当に見える3つのパターン
パターン1:安定して利益を出し、還元方針が明確
事業が安定していて、利益の一定割合を配当に回す方針を公表している会社です。本来期待したいのはこの形です。
確認するのは、
- 過去の配当の推移(減配していないか)
- 配当性向(利益のどれだけを配当に回しているか)
- 会社が公表している株主還元方針
パターン2:株価が下がって利回りが上がっている
配当が変わらなくても、株価が下がれば利回りは上がります。
この場合、利回りの高さは「市場がその会社を評価していない」ことの裏返しです。業績が悪化している、業界そのものが縮小している、といった理由が背景にあることが多くなります。
利回りだけを見て買うと、株価の下落が配当を上回り、トータルで損をすることがあります。
パターン3:一時的な配当が含まれている
記念配当や特別配当が乗っていて、翌年には無くなるパターンです。会社の配当予想の内訳を見れば分かります。
確認したい指標
高配当かどうかを判断する前に、次を確認してください。
| 見るもの | 何が分かるか |
|---|---|
| 配当利回り | 株価に対して年間いくら受け取れるか(税引前) |
| 配当性向 | 利益のどれだけを配当に回しているか。高すぎると維持が難しい |
| 配当の推移 | 何年配当を続けているか。減配したことがあるか |
| ROE | 稼ぐ力があるか。配当の原資が続くか |
| 自己資本比率 | 財務の余裕。借入に頼っていないか |
利回りは最後に見るくらいでちょうどよいと考えています。先に会社の状態を見て、そのうえで利回りを確認する順序です。
税金の影響
配当金には課税口座で20.315%の税金がかかります。利回り4%の銘柄でも、税引後の手取りベースでは約3.2%です。
NISA口座で保有していれば配当は非課税になります(受取方法の設定に注意)。配当を目的とした投資では、この差は小さくありません。
分散を考える
配当を目的とする場合でも、1銘柄に集中させるのは避けたほうがよいでしょう。
減配は突然発表されます。1社に集中していると、その1回で配当収入が大きく減ります。業種も分けておくと、特定の業界の不振に巻き込まれにくくなります。
この記事のまとめ
- 「高配当株」に決まった定義はない。相対的な言葉
- 利回りが高い理由が、株価下落でないかを確認する
- 配当性向と配当の推移を見て、続けられる配当かを判断する
- 課税口座では約20%が引かれる。表示は税引前
- 1銘柄・1業種に集中させない