ROEとは|自己資本利益率で分かること・分からないこと
ROE(自己資本利益率)は、株主が出したお金でどれだけ効率よく利益を上げたかを示す指標です。計算方法と目安、借入を増やすと数字が上がるという落とし穴を解説します。
ROE(アール・オー・イー)は Return On Equity の略で、日本語では自己資本利益率といいます。
株主が出したお金を使って、どれだけ効率よく利益を上げたかを示す指標です。
計算方法
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
自己資本が100億円の会社が、1年間で10億円の純利益を上げたなら、
10 ÷ 100 × 100 = 10%
となります。
何が分かるのか
PERやPBRが「株価が高いか安いか」を見る指標なのに対し、ROEは会社そのものの稼ぐ力を見る指標です。株価は計算に入っていません。
同じ100億円の自己資本を持つ2社があったとして、
- A社:純利益10億円 → ROE 10%
- B社:純利益3億円 → ROE 3%
A社のほうが、株主のお金を効率よく使って利益を生んでいる、ということになります。
目安
日本では8%〜10%が一つの目安として語られることが多い指標です。ただしこれは業種や時期によって変わるもので、絶対的な基準ではありません。
PERやPBRと同様、同じ業種の中で比べてください。
知っておきたい落とし穴
借入を増やすとROEは上がる
これがROEでいちばん注意すべき点です。
ROEの分母は自己資本です。会社が自己資本を減らす(自社株買いをする、配当を多く出す)か、借入で事業を回すようにすると、利益が変わらなくてもROEは上がります。
つまり、ROEが高い=優良企業とは限りません。 借金を増やして数字を作っている可能性があります。
借入の比率は、自己資本比率などで確認してください。
純利益は一時的な要因で動く
ROEの分子は当期純利益です。資産の売却益のような一時的な利益が乗ると、その年のROEは実力以上に高く出ます。
1年だけを見ず、数年分の推移を見てください。 継続して高い水準を保っている会社と、1年だけ跳ねた会社では、意味がまったく違います。
自己資本が小さいと数字が大きく振れる
自己資本が少ない会社は、分母が小さいため、利益が少し動いただけでROEが大きく変動します。数字の振れ幅そのものが大きい点に注意してください。
PBRとの関係
ROEが低い会社は、PBRも低くなりやすいという関係があります。
株主から預かったお金を使って十分な利益を生めていなければ、市場はその会社の純資産をそのままの価値では評価しません。それがPBRの低さに表れます。
逆に、ROEが高い状態を続けている会社は、PBRも高くなる傾向があります。
PBRが1倍を割っている会社を見つけたら、ROEを確認してください。 低ければ「安いのには理由がある」可能性が高くなります。
この記事のまとめ
- ROE=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100。株主のお金をどれだけ効率よく使えているか
- 目安として8〜10%が語られるが、業種によって水準は違う
- 借入を増やす・自己資本を減らすとROEは上がる。高い=優良とは限らない
- 一時的な利益で跳ねることがある。数年の推移で見る
- PBRが低い会社は、ROEが低いことが多い